愛菜に聞こうとしたが
すっかり忘れている様子。

ずっと、はるちゃんと拓翔くんを見つめていた。



年の差は同じだから
愛菜の理解不能な行動も分かち合えると思い
僕は拓翔くんと仲良くなりたかった。


「ここです!」

レストランを見ると本当に高級感が溢れていた。

中に入ると奥まで案内された。
どこまで行くのかと思ったが
まさかの個室だった。


窓が大きく
街の街灯がイルミネーションのように綺麗だった。

こーゆーのが大好きな愛菜とはるちゃんは一心不乱になり、子どものようにはしゃいだ。


「あの…
お名前伺っても…」

拓翔くんが恐る恐る聞いてきた。

「あ、すみません
国分恭也です。拓翔…くんでいいかな?」

呼び名を確認しつつ
ポッケから名刺を取り出した。


「はい、大丈夫です。
恭也くんと俺は同い年ですよね?」

「ええ」

「じゃあ、敬語は辞めよう!」

「そーだね。」




僕は嬉しくなった。

友達ってこんなにウキウキするものなのだろうか。


愛菜達がやっと落ち着いたので
僕達は窓近くの席についた。