僕ははるちゃんの話を聞くことになった。

「あ、どうぞ座って。」

「ありがとうございます。」

「で、どうしたんだい?」

「私の彼氏、愛菜の旦那様と同い年なんです!」

本当に似た者同士。
好きになる人も似たようになってしまうのか…

「でも、この間久しぶりにデートしたとき
指輪していたんです!

私びっくりして
結婚しているのかと思って
その指輪どうしたの?って聞いたら

『あ、これ、どうかな?
この間買ったんだー』

って言ったんです。

でも、見た感じ独身の男の人が好むような指輪ではなくて、既婚者がつけるような指輪なんです。」


僕と愛菜は言葉に詰まった。
つまり、その…


「私、不倫してしまっているのでしょうか?!」

涙を目に貯めながら
はるちゃんは、僕達の方を見た。

愛菜ははるちゃんの隣に行き
背中をさすっていた。


「そう思ってから、会うの怖くて…
何かしら理由つけて会わないようにしてたんですけど、今日は必ず来て欲しいって言われて…」

時計を見ると6時半になっていた。

「え、何時に待ち合わせしてるの?」

「7時に…
噴水公園です。」

あと、30分…
もしかしたら、彼が結婚していない可能性だってある。
とにかく、会わなきゃ変わらない。

会いに行けとは言いにくいよな…



すると愛菜が立ち上がり
はるちゃんの手を握った。

「愛菜?…」

「はるちゃん、行こう!
私と恭也さんも一緒に行くから!
ね?」

愛菜は笑うと
ありがとう、ありがとうと
はるちゃんは泣きながら言っていた。


若い2人にはお互いにして欲しいことと
望んでいることが分かるのかもな…

と、自分にはないまぶしい若さを
感じた。