あれは会社のお昼休み


「国分、聞いてくれ。」

チャーシューメンを食べる僕の目の前に座った。

「どうしたんだい?」

「実はね来週結婚記念日なの」

「はぁ…」

「でねでね、今年はどうしようか
超超超なやんでる!!

俺、どうしたらいい?」

僕は固まった。


「すみません、結婚記念日ってなにかするんですか?」

加賀くんは頭を抱えて
食べるのをやめた。

「愛菜ちゃんはどうか分かんないけどさ
うちの奥さんは、記念日は盛大にサプライズを期待してるの!

そういうのちゃんと、確認とった方がいいよー

価値観のズレがいっちばん
夫婦仲を悪くするからさ」


僕が思う結婚記念日は
ただ、ただ
もう1年かーと時の流れを感じるものだと思っていた。

プレゼントとかは誕生日だけでいいと
思っている。