可愛がってくれるのは
とても嬉しいけど、無理強いはさせたくない。

愛菜と父さんの声が聞こえてきた。

扉を開けようとしたけど
僕は手を止めた。


「愛菜ちゃん、どうかな?
時間は今日の夕方あたりなんだけど…」


「本当にいいんですか?…」

「恭也は怒るかもだけど、僕はぜひ愛菜ちゃんに来て欲しいんだよ!」


「嬉しいです。
今から言うことは内緒ですが
私、ずっとウェディングドレスに憧れていて…

恭也さんは神前を好んだので、私もそうしようと思ったのですが…

これ見てください。
私の母の写真です。」


「うわぁぁぁ
とても綺麗だ。素敵なウェディングドレス」

「この写真の母しか知らなくて
ウェディングドレスを着たら母に近付ける気がして…」



僕は会話を聞いて
ドアを開けることを躊躇った。


これは、なんだろう。
罪悪感よりもひどい感情。



愛菜…