愛菜の意見で
動物園は順路通りに回ることにした。


「いました!!」

「お、食事中じゃないか?」

僕達はパンダの前にいた。


「草食べてます!!」

ーーー草というより、笹ね

「どうして目だけ黒いのでしょう?
日焼けでしょうか?」

ーーーまさか、そんなことないだろうな…

「あ!赤ちゃんは真っ白ってこの間テレビでやってました!!やっぱり、日焼けですね!」

ーーーなぜ、そうなる?!!



「恭也さん…
やっぱり、つまらないですか?…」

「え?そんなことないよ!
だって、ずっとつっこんでた…」


そう、僕は愛菜の話を聞いてはいた。
それに返答もしていたが
返答は心の中だったと気づいた。


「ごめんなさい…
わがまま言ってしまい…」


まさか動物園で気付くとは…

恐らくこんなシーンが今までもあった。