「私の家ではこれをシチューと言って食べていました!

正確に言えば、濃いシチューってお父さんが言ってました!」

愛菜は強めに答えた。

濃いシチュー…
確かに濃いシチューだけど…

僕は作り方がよく分からないが行程は同じで色だけ違うのか?

黙り込んで考えてしまった。


「恭也さん?」


愛菜の顔を見て
ビーフシチューでもシチューでもどっちでも良くなった。


愛菜が僕のために作ってくれたのだから。
だけど…

「愛菜、これはビーフシチューって言うんだよ。
確かに濃いシチューという愛菜もあっているかもしれない。」

「そーなんですか…
物知らずですみません。」

「愛菜、謝らなくていいんだよ。
これで愛菜は1つ物事を覚えられた。偉いぞ。」


愛菜は照れるように笑った。

僕の常識は君には通用しない。



そんな君が愛おしい。