ボーン…ボーン…
鐘の音が24時を知らせる。

私は恐る恐る父の方を向くと、父は腕時計で、時間を確認した。
「もう良い。これからはちゃんと塾へ行きなさい。次もしこんな事があったら、もう1日塾増やすからな」
父は冷たい瞳で、私の方を見ずにそう言い放った。

「・・・はい」
私は返事をし、やけに急に感じる階段を上って、部屋に入る。
電気を付けず、そのままベットに倒れ込む。

父と母は私の事が嫌いなのだろうか。
ふと、そんな事を思う。
褒めてくれるどころか、私に対する氷付きそうな目。
他の人は、テストで良い点をとると、褒めて貰える、何かもらえたりする。
沢山の愛情を貰って生きて行く。
でも、私は親の愛情なんて感じない。

バカにしている、なんて言ったけど、本当は寂しかった。
家に帰ると、そこは牢屋の様に孤独だった。

私も親から大切にされて、可愛いがられて、もっともっと愛情を貰って行きたい。
私は親に何か言われる度にそう思う。

そんな日々の苦しみや、寂しさ、孤独感が私の手を万引きという行為に導いているのかも知れない。