「これは、夢…。夢です、よね…」

夢だと思いたい。

ぜひとも夢であってほしい。

『現実だよ。安住さん』

盛大に大笑いしている声が耳に響く。

『安住さん、今顔真っ赤でしょ?電話越しでも伝わってくる』

「へ!?」

『昨日はいいモノ見たな~。今朝も、だけどね』

「な、な、なにを言って!?」

『スマホ、すぐに渡してあげたいんだけど、今から俺、仕事で北海道なんだよね。月曜日でもいいかな?』

「はい。構いません…」

別に週末スマホがなくても、多分大丈夫な、はず。

元々週末は引きこもるつもりだったし。

私はスマホ依存症でもないし。

『じゃあ、安住さんのスマホと一緒に出張に行ってくるよ』

「はぁ…」

なに、その言い方。