何度も書き直してようやく完成したそれをバッグに入れた。 私は決心した。 今時、失恋したくらいで、と思われても仕方がない。 それでも、この街に思い出は多いし、なにより同じ会社というのが辛い。 男の結婚を祝えるかといえば、答えはノーだ。 私にはそんな気持ちの余裕はない。 これはいいきっかけになったのだと前向きに捉えることにした。 仕事は好きだ。 外資系企業に勤めているという誇りもある。 でも、私は実は結婚願望が強い。 27歳、ちょうどいいのかもしれない。