次の日の出勤前にミネラルウォーターを喉に流し込んでいたらスマホが光った。
彼女だ。
こんな朝早くにメールではなく電話だ。
「樹里?」
「貴彦さん、私、会いたい。何度もメールしました。」
「ごめん。仕事にかまけて返信もできなくて。」
「いいんです。今、声が聞けたから。ありがとうございます。」
「樹里。」
「はい。」
「俺も会いたい。君と同じ気持ちだ。それを覚えておいて。」
「はい、覚えておきます。」
「ありがとう。じゃ、行くから。」
「お気をつけて、行ってらっしゃい。」
たった30秒足らずの通話だったが、二人にとってそれは他の何にも代えがたい濃い時間となった。
ステーキの約束から1ヶ月半も経ってしまった。
その間、彼女は一度も貴彦を責めなかった。
それどころか仕事の大切さや、上司とのスムーズな接し方や励ましの言葉が毎日メールに綴られていた。
地下鉄に揺られながら返信した。
「樹里、ありがとう。君には感謝してもしきれないほどの気持ちだ。ステーキの約束はまだ有効だろ?」
すぐに返信が入った。
「無期限です。」
アッハッハッハ!
貴彦は口元を手で押さえ、心の中で大いに笑った。
彼女だ。
こんな朝早くにメールではなく電話だ。
「樹里?」
「貴彦さん、私、会いたい。何度もメールしました。」
「ごめん。仕事にかまけて返信もできなくて。」
「いいんです。今、声が聞けたから。ありがとうございます。」
「樹里。」
「はい。」
「俺も会いたい。君と同じ気持ちだ。それを覚えておいて。」
「はい、覚えておきます。」
「ありがとう。じゃ、行くから。」
「お気をつけて、行ってらっしゃい。」
たった30秒足らずの通話だったが、二人にとってそれは他の何にも代えがたい濃い時間となった。
ステーキの約束から1ヶ月半も経ってしまった。
その間、彼女は一度も貴彦を責めなかった。
それどころか仕事の大切さや、上司とのスムーズな接し方や励ましの言葉が毎日メールに綴られていた。
地下鉄に揺られながら返信した。
「樹里、ありがとう。君には感謝してもしきれないほどの気持ちだ。ステーキの約束はまだ有効だろ?」
すぐに返信が入った。
「無期限です。」
アッハッハッハ!
貴彦は口元を手で押さえ、心の中で大いに笑った。