その日、優海たちのバスケ部は、一試合目に勝利し、二試合目で優勝候補の高校に敗けた。

これで彼らの夏の大会は終わってしまったけれど、強豪校相手にかなり良い試合をすることができて、チーム最多得点をあげた優海はやりきったような笑顔をしていた。

完全燃焼することができたのだ。

だから悔いはない、と彼は言った。

前は試合に出られなかった悔しさに顔を歪めながら、見ているこちらまで胸が痛くなるほどに声を絞り出して泣いていたのに、今日はさっぱりとした顔で笑っている。

せっかく応援に来てくれたのに負けてごめんと優海は言ったけれど、彼が笑顔で夏を終えることができただけで私は満足だった。

悔いの残る夏休みにはしてほしくなかったから。


今日の彼の姿を見ることで、私は間違っていなかったことが分かった。

これで、私の目的の一部は達成することができたわけだ。

よかった、と心から安堵した。

優海の見ていないところで、私は少しだけ泣いた。

私の夏もこれで終わりだ。