砂糖より甘くコーヒーより苦く

「……っ!」

静かに晴斗は、言い放った。

クラス中、静かになった。

ゆっくりと立ち上がり、陰口を言った人の方に歩いて行った。

そして、そのリーダー的な人の胸ぐらをつかみーー

あたしはそこで察した。このままじゃっ!

「晴っ……ーー」

あたしは立ったがーー

時すでに遅し……

「初めて会ったくせに!!美緒のなにが分かんだよ!!ふざけんのも!!いい加減にしろ!!」

「「「「……!」」」」

クラス中、息を呑んだ。

「晴斗やめて!」

あたしは、叫んだ。

「……!」

晴斗は目を見開いて、あたしを見た。

ーーポタッ

あたしの頬を伝って、涙が零れ落ちた。

「晴斗、やめて……」

あたしは少しずつ、晴斗に近づいた。

「喧嘩とか、しないって……」

ーーポタポタ

容赦なく零れ落ちてくる涙。

声も、涙声にーー

「約束したじゃん……」

「……っ!」

ーーサッ

晴斗は手を離し、

「悪い……美緒……」

と、謝った。

「うぅっ……くふっ……」

「大丈夫か、桜井?」

そう言って、中居和人(ナカイカズト)くんが近寄ってきた。

「……!」

でも、“ありがとう” “大丈夫”って言いたいのに、声が出てこない。