砂糖より甘くコーヒーより苦く

《美緒STORY》

あれから数日が経った。

でも晴斗は、目を覚まさなかった。

ーーピッピッピッ

電子音しか聞こえないこの病室に、静かに寝ている晴斗。

あたしの記憶も戻らない。

「晴斗、また来るね。でもまあ、今日また、来るかもだけど」

ーーチュッ

おでこにキスをして、病室・病院をあとにした。

あたしが向かった先は、あたしの家ではなく、隣だった。

勝手に足が向いた。

「高木……」

ーーピンポーン

「はーい」

ーーガチャ

出て来たのは、晴斗のお母さんだった。