ただのクラスの女子だったら、まだ良かった。 私が許せなかったのは、そこにいたのが奏ちゃんだったから。 修学旅行のときから、河北と仲良さそうにしてるのは知ってたけど、まさか彼女だったなんて、知らなかった。 喉元で止まったセリフが、出てこない。 頭の中に、浮かんでこない。 そのまま、言おうとしていたセリフは、深く深く、沈んでいった。 涙がこみ上げてくる。