「なんとなく、わかってきた。真由はいつから《彼氏売買》を始めたの?」


「高校に入学してすぐの頃だよ。当時付き合ってた彼氏と一緒に偶然喫茶未来に行って、その時にお店の人から声をかけられたのがキッカケ」


真由の言葉にあたしは驚いた。


「お店の人が声をかけてきて彼氏を売ることがあるの?」


「最初はね。相手がカッコよくて、お金になりそうだったんだと思う。最初は全く信じてなくて、地下室になにかがあるんだろうなって程度だったんだけど、何回か通っている内に地下室へ行ってみたくなって、彼氏を誘って行ってみたの。そしたら、ものの数分で数十万円を手に入れたってワケ」


真由の説明に体が熱くなっていくのを感じる。


《彼氏売買所》はまだ広く知られているワケではない。


だから偶然訪れたカップルを引き込んでいるのだ。