唇を離した蓮人にそう聞かれて、あたしは初めて自分が泣いていることに気が付いた。


あたしは手の甲で涙をぬぐい、蓮人の肩にもたれかかった。


本当に好きだと思える相手に愛されている。


それがたまらなく幸せだった。


「今日は帰りたくない」


あたしは小さな声でそう言ったのだった。