「綺麗だったなー」



健ちゃんと灯ちゃんの挙式が終わって、春樹とふたりで披露宴会場へと向かっている。

向かっているといっても、同じホテルのなかだけど。



「だなー。健もなんか逞しく見えたし。やっぱ結婚っていいもんだよな」


「お?春樹がそんなこと言うなんて意外だなぁー」



絶対、結婚なんてしたくない人だった。
そんなものに興味もないし、クリスタルだけあればいい。
そんな人が考えを改めるほど、今の彼女のことが大切ということなのだろうな。



「まぁ、な。亜実だって、雄大と結婚の話進んでるんだろ?」


「うん」



あたしと雄大も、まだ正式な日取りは決まってないけど、お互いの両親の顔合わせは済んでいる。



「俺、クリスタルのメンバーと打ち合わせしなきゃだから。ちょっと行ってくるな」



腕時計を確認して、あたしに片手をあげる。



「はーい。またあとでね」



今日の披露宴、2人には内緒のサプライズでクリスタルが曲を演奏することになっている。