『亜実もさっさと来いよ』



照れ気味に振り向いた。
その顔になんだかとくんと胸が騒いだ。

でも、あたしには彼氏がいたし、なにも感じない振りをしていた。
きっと、あそこから心が動いていたのかも知れない。

あれから毎日のように四人で遊んだっけ。



『はぁ!?お前彼氏いるの!?』



あたしに彼氏がいるって、知ったときの雄大ときたらすごい顔していた。



『いたら悪いー?』


『お前に彼氏がいて俺にいないとかありえねぇ。俺にいるの間違いだろー。亜実にいるなんてよ』



すごい悔しがりようだったけど、あのときから好きでいてくれたとあとから教えてくれた雄大。

でも、あたしもあの時にはもうすでに、雄大のことが気になって仕方なかった。

ちょうど健ちゃんが就職をしたころで、あまり会えなくなってきていて物足りなさを感じていた。
そんなときに心に入ってくるのには充分すぎる距離感だった。

雄大はいつもあたしのすぐ側にいてくれたから。