ーー

コンコンコン


遂に私の番になった。


1人ずつオーディションする部屋へと呼ばれる。


審査するのは、監督、プロデューサー、脚本家、原作者、そして主人公役の守谷 俊介

まどか「失礼します。よろしくお願いします。」


監督「よろしく。それじゃあ所属事務所と名前と年齢を教えてくれ。」


まどか「STELLA芸能事務所所属、八嶋 まどか、19歳です。」


プロ「じゃあ、まずこのオーディションを受ける動機を教えてください。」


普通はここで『原作のファンだからです。』とか適当な理由をつける。


でも私はそんな事しない。


みんなと同じことを言って落ちるくらいなら、少しでも審査員の記憶に残るようにする。


まどか「女優として食べていくためです。」


ザワッ……


監督「それとこのオーディションの動機が一緒だと?」


まどか「はい。月9ドラマでメインキャストに選ばれれば、少しは注目されるかもしれない。
この作品に興味があったから受けたわけではありません。
このオーディションを受けると決めてから、原作を読み込み研究し続けました。」


監督「研究……。じゃあその成果を見せてもらおうか。」


まどか「はい。」