まどか「それがなめてるってことですよ。」


あ、やばい。


私はキレると、表情はあまり変わらないが、言葉が止まらなくなる。


まどか「役者は台本を貰ったら、本読みまでに目を通して、読めない漢字を調べておく。これはマナーです。
それをやってない時点で役者をなめてるんですよ、あなたは。」


奈那「はぁ!?お前に言われる筋合いねぇーってーの!
私がヒロインなんだよ!お前なんかよりも演技が上手いから笑」



演技が上手いから……。


知ってるよ、自分に才能ないこと。


そう言われてしまうと、何も言い返せなくなる。



俊介「そんなわけないだろ。
このドラマで1番簡単なのがヒロインだ。
お前は、演技が下手だからヒロインなんだよ。」


奈那「へ……?俊介くん、何言ってるの?」


俊介「モデル上がりが知名度だけでヒロインに選ばれることはよくある。
ヒロインなら演技力が低くても、まだどうにかなるからな。

だけど元から役者の俺らは、必死に努力して役を掴み取る。
お前なんかが勝てるかよ。」



監督「お前達、撮影始まる前から揉めるなよ笑

まぁ、俊介の言ったことは事実だ。
田所、それを肝に銘じてやれよ。」


その後もピリピリした空気の中、本読みは終わった。