さっきまで真顔だったのに、そこにいるのは“佐々木優莉愛”そのものだと思った。
何がすごいとかは正直、俺には分からない。
でも彼女の演技に惹かれた。
彼女は、ほかの参加者と違い、一切声を荒らげることなく、諭すように叱った。
ほかの参加者は、感情の起伏を表現したいのか、どこかで大きな声で怒った。
しかし彼女の描いた優莉愛は、声を荒らげることは無い。
だからといって迫力がないというわけじゃない。
むしろ説得力があるような気がした。
いつの間にか彼女の“佐々木優莉愛”は、消えていた。
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