【長完】Keeper.l

「やっぱり、十勝様はイケメンよね!」

話したいことを車の中で機関銃のように喋っていた十勝は、ご機嫌ルンルンだ。ちょろいな。こいつ、総長として大丈夫なの?

「えー?私は、相澤様推し!!あの、いつも不機嫌なように見えて実は仲間思いのところとか素敵!!」

くわぁっと欠伸を噛み殺している相澤。

「私この前、相澤様が野良猫助けてるの見たわ!!」

金髪、そんな王道あるあるやったのかよ。

「時友様も紳士だし、永富君も可愛いよね!」

お姫様の隣に並んで、楽しそうに話を聞いている永富に時友。

普通の、会話なら良いものの……。

「ちっ、あの女、まだ姫やってんのかよ。」

「ほんと、ですよね。マジで。新しくまた神龍に女入ってくるし。」

「あー、あの紫陽ってやつ?今度2人に痛い目見してやる……おわっ!!」

明らかなる敵対視を向けているギャルも居るのか。まぁ、居るだろうな。

私に危害が及ぶのは構わないが、お姫様に危害を加えられるのはな……。