とりあえず、十勝にも言っておいてと言われる。

車に乗り込めば、出発しますよ、の声で車が発進した。

運ちゃん、結構いかついな。

『ねぇ、十勝。

さっき時友にも言ったんだけど、帰りって倉庫に直行?』

「ああ。それに、お前の場合はそこが家だろう?学校が終わったら寄り道しないで帰る。

当たり前だ。」

『いやいやいや、小学生じゃないんだから。』

「む。」

『いや、む、じゃなくて。高校生になったら寄り道くらいいいでしょ。』

なんだこいつは。先生か、母親か?…よく分かんないけど。

『私、学校終わったら駅によるから。』

「駅?どこか行くのか?」

こいつ、あんまし警戒心がないな。

「なんで、駅なの〜?」

永富の声が、前から飛んでくる。あ、ちなみに私と時友と金髪が後列に乗っている。

私は時友の隣で左端っこ。時友が真ん中だ。
『駅のコインロッカーに私の服とか入れてあるから。』

援交で稼いだお金、とか。持ってきたもの、とかの色々諸々。それを、コインロッカーに入れて保管していたのだ。

まぁ、必要最低限だけど。