今はもう、帰りの時間。

隣には永富とお姫様。そう、私の隣に、だ。

左はお姫様。右は永富。今は、神龍の倉庫に向かっている。

忘れてるかもしれないが、今日から私は神龍の倉庫に“ 住む ”のだ。

授業はどうしたか?やはり、私は授業中爆睡していたらしい。

そういえば、1-A のクラスの担任の武本先生寝てる人には爽やかにチョークを当てるらしい。

まぁ、女子生徒には、よっぽど嫌いな生徒でなければ手を挙げないらしい。嫌いなら、挙げるってことだよな?怖っ。

何気に怖い。あの先生。私は腹黒タイプは苦手なんだ。

今日1日でだいぶ苦手な人になった気がする。

「里香ちゃん、里香ちゃん?」

「りかち〜ん?」

色々なことを思い出したり考えていたら、つい、

『へ?』

間抜けな声が出た。

「へ?って!へ?って!!里香ちゃん可愛い!!」

そう言いながら、私の左腕に抱きついてくるお姫様。

苦しいのと、そんなに人の醜態をほじ繰り返さないで頂きたい。

そして、君の方が何倍も可愛いよ。そう思いながら、頭を撫でれば顔を真っ赤にしていた。

かわいいな、おい。

Kの奴らだったら、完全に今の声。間抜けーって馬鹿にしてきたぞ?あっ、やめよ。リアルに想像出来てムカついてきた。

「りかちーん?」

『ん?』

「話、聞いてた〜?ぼぉっとしてたみたいだけどぉ?」

『聞いてなかった。ごめん』

「だと思ったよ〜。んじゃあ、もう1回話すね~?」