渡り廊下を歩いて、隣の校舎の保健室へと向かう。ちなみにさっきの男達は手首を縛って主犯格の女子と一緒に然るべきところへと送られるそうだ。

どこに行くのか、興味が無いといえば嘘になるが。とりあえず放っておこう。

外へ出れば、独特の冷気と誇り臭い匂いが鼻につく。何故だろう、と思い空を見れば小雨が降っていた。

どんよりとした鉛色に覆われた天候は垣間からシトシトと泣くように雨を降らせている。さっきの喧騒が嘘のように静かだった。

「雨、降ってきちゃったね。」

「昼飯、どこで食う?」

屋上のつもりだったのだろう、だが雨なので到底入れそうにない。

「千歩たちの教室でいいんじゃね?そういや、荷物は?」

「……教室かも。」

『ほっぽり投げた気がする。』

「……おいおい、」

しとしと、しとしと、雨はまだ、止む気配はない。