倉庫に入れば、そこには私たちを待っていたかのような顔をした倉庫待機メンバーがいた。これを別名、十勝の暴走に巻き込まれなかった勝ち組とも言う。

誰が巻き込まれ、負け組と化してしまったか。

うん、まぁ。言わずとも、金髪だろう。ああ、可哀想。

私?私は元々用事があったから論外だ。

なんて内心ではおちゃらけているものの、幹部室内ではそこそこ重い空気が漂っていた。

焦げ茶色の机には、白い一通の封筒。それはきっと、今朝、お姫様宛てに置かれてあったあの例の手紙だろう。

予告状みたいなあれは、少し不気味さを感じさせられた。

どうしたものか。この無言の空気の中誰が1番に話題を切り出すのかと思えば、

「あっ、そう言えば言ってなかったな。

ただいま。」

手をポンっと叩いて、今更ながら挨拶をする十勝。

目線で私たちにも促してきたので、金髪と顔を合わせて

『ただいま』
「今、帰った。」

挨拶をする。

そうすれば、永富は呆れたように。時友も同じ反応で笑った。

まぁ、お姫様は予想通り満面の笑みで

「おかえり!!」

と返してくれたのだが。

満面の笑みで、ねぇ。目の前に封筒あるのに緊張感は欠片も無い。

大丈夫なのだろうか、三日後がとても不安になる。