あいつは本当に、学習能力というものが皆無という…人間の、いや、動物の本能的なものをどこに置いてきたの?と言うやつだったよ。

なんであれで今まで生きてこれたのか、不思議でしょうがない。あ、強いからだ。

あと、兄の統牙が居たからだろうな。うん。

鍵を差し込んで、くるりと捻れば簡単に開く扉。

そそくさと、荷物を取り出す。

よし。

援交してた時の人とは全て、縁は切った。元々、金持ちの人がいてその人が一回で大金をくれたから、そこまでヤっていないのだ。

もちろん、最後までも。

話は戻して。金持ちの人だから後腐れがない。そう考えれば、いいひとだったと思う。

出した荷物を肩にかけると

『意外と重いな、これ。』

まぁ、それもそうか。自分の全ての荷物と言っても過言ではないし。

きちんとバックの上部のファスナーが閉まっているか確認する。

……よし。


目標は達成できたので、どう戻ろうか考える。

考えていて、気配を消すのを忘れていた。

ふ、と隣から香水の匂い。それも、かなりキツめの。

なんだ?と思い隣を向けばそこには。