*透side*



胸騒ぎがした。


最近、やけに顔色が悪い。



咄嗟に君の手を掴んだ。



流れ込む未来が、見えた。



君はーーー後一年後、生きていないこと。




君と過ごせる時間は、僅かなこと。




「透、どうしたのーーー?」



俺は、見たくない未来が、見える。



幼い頃からずっと。



だけど生きて来た中で、こんなに苦しいことはない。



「椎名、病院行くぞ」



少しでも、君の側に居たい。



俺は必死だった。


まだ、小さな歩の体を抱き抱え、俺達は病院へ向かった。