歩夢のお葬式の日



私は遺体のない葬式に出席しなかった。






私は歩夢が生きてると信じてる。



「椎名…………」





「先輩………」




私を呼ぶ早見先輩。




涙に光る頬。



「先輩、歩夢がーー



歩夢がーー」





私は泣いた。



彼の胸を借りて泣いた。



桜が散る。


「彼は、こうなる運命だったんだよ」





先輩…………?



私は先輩を見た。



「彼にはちゃんと忠告したんだ。


だけど聞かなかった。



椎名が大切だったんだね」




意味が分からない。


ねえ、先輩ーー?



教えて。。