「それにしてもさぁ。なんで中島くん、あんな不良と仲良くしてるんだろう」




ぽつり、とミカちゃんが声をおとす。
たしかに、と私も思った。


今となってはあたり前で、何も思わなくなったけど、2年生になったばかりの頃は
クラスの中心メンバーと中島くんがいつも一緒にいることが疑問だった。



クラスの中心メンバーとは、いわゆる力のある不良の集まり。

品行方正で、誰がみても優等生な中島くんと、クラスを牛耳るタイプの不良たちがつるんでるのは違和感のかたまりでしかなく。





「中島くんが中心メンバーと仲良くしてるっていうよりは、中島くんが中心にいて、その周りを不良が取り囲んでるように見えるね」




ミカちゃんの言葉、まさに、そのとおり。

今は慣れてあたり前になった光景も、改めて見つめてみると、やっぱり少し不思議だ。





「このクラス、中島くんが従えてる感じあるよね……他のクラスより大人しいのも、そう」


「……ミカちゃん」


「うん?」


「やっぱり中島くんて、やばい人かも」