コーラが好きって、本当のことだったんだなあ、と思いつつ。

顔色悪いって……。


気になって顔を上げてしまいそうになる。
心なしか、声に元気がないような気もした。


少しだけ、少しだけ……。
そろっと周りを見渡すふうを装って首を回した。



そしたらタイミングのいいことに、バッチリ視線がぶつかってしまった……けど。

直後、ふいっと逸らされる。



ほっとした気持ち半分、もやっとした気持ち半分。


無理やりキスされたからとはいえ、途中でいきなり帰ったのは私。気まずいことこの上ない。


関わらないと決めていたけど、このままもやもやし続けるのもいやだな……って。

そんなことを考えていたら



「おっす、上月さん」


飛んできた声に、なにごとかと顔を上げれば、立っていたのは浦本くん。




「中島、今日やけに元気なくねぇっすか?」



なぜ敬語で話しかけられたのか。
そしてなぜ私にそんな話題を振ってくるのか。




「うん、元気ない……んですか?」


つられて敬語で返してしまう。

すると



「上月さん、彼女でしょ」


真顔でそう言われて。