中島くん、わざとでしょ


首をかしげて見上げる。
私の意見なんて言われても……。



「優しいほう」


深く考えることなく出した答え。
それに対して中島くんは「ふーん」と興味なさそうに返事をしたかと思えば




「じゃー優しくする」



ぽん、と今度は頭に手を乗せてきた。
かがんで、目線も合わせてくる。

突然、綺麗なつくりをした顔が目の前にくるから心臓が止まりそうになる。


しどろもどろ。目線を泳がせて逃げた。





「え、何いきなり……」

「甘やかして甘やかして、しぬほど優しくする」


「う、うん? だから、どうしたのって……」

「真面目に言ってんだよ。こっち見ろ」





親指と人差し指でほっぺたを挟まれて、むぎゅと押しつぶされる。

この距離……
さっきからほんと、何なのっ?


両手で押し返して顔を背けた。




「いちいち近いんだってばあ……!」