中島くん、わざとでしょ



かと思えばすぐニヤって笑うから、本気なのか冗談なのか。



意識したことなかったけど、中島くん、背が高い。
こんな近い距離で目を合わせようとしたら、そうとう見上げなくちゃいけない。



そして見上げてしまえば、この構図。

────キスされたときのことを思い出してしまう。



同時に遼くんの顔が浮かんで、心の中がもやっとした。



やっぱり、好きな人以外とするキスってありえない。




「もう大丈夫だから、離して……」


胸を押すと、腕の力がわずかに弱められたけど、完全に解いてはくれず。




「なあ、身長何センチ?」



突然、脈絡のない質問が降ってくる。


私が中島くんのこと高いって思ったように、中島くんも私のこと、低いって思ったのかもしれない。

となりに並ぶと、相手との身長差がはっきりわかるから。




「えっと、156センチくらい」


今年の身体測定を思い出して答える。
だいたい平均だと思う。
高くもないけどそこまで低くもない。


男子の平均は知らないけど、中島くんはそれよりも少し高いように見えた。