中島くん、わざとでしょ



そんなんじゃ済まないことは、ほんとはわかってるよ。すごく怖かったもん。
でも平気を装わなきゃ、気をつかわせて迷惑かけちゃうって思って鈍いフリをしたのに。


震えてたこと、気づいてくれたんだ。

それでこんなに、優しくしてくれるんだ。



これも好感度を上げるため?
一昨日言ってたみたいに、私に恩を売って、徹底的に口封じしようとしてるのかな。



……だけど、本気で心配してくれてるように、見える。




「だから、中島くんが優しいと、きもちわるいんだけど────って」



言い終える前に、ふわっと空気が動いたかと思えば
中島くんの腕が私の背中に回って。

気づくと、目の前にシャツのボタン。



え。

え。


体が硬直した。

カチンコチン、息を吸ったまま吐き出すのも忘れて、数秒経過。



大きな手のひらが背中をポン、と優しく叩くと
固まってたものが少しずつほぐれていって、大人しく身をあずけることができた。




「……無理にこんなことしなくても、私、バラしたりしないよ」



可愛くない発言だと思いつつも、つい口にしてしまう。




「本気で心配してんのに、ひどいよ上月」



ほら、またそんな口調。




「言ったろ。
優等生の俺も、案外嘘じゃないって」