「上月さんの好きな人は生徒会長ですって俺が言えば、ウワサはあっという間に広まるだろうな〜」
血の気が引いていく。
大げさなんかじゃない。私にとっては本当に一大事。
絶対だめ。
遼くんに知られるわけにはいかないんだ。
本当はまだ好きだってこと……。
「ルキくんって……中島琉生くんのこと?」
遼くんが眉をひそめる。
我慢できなくなって席を立ち、遼くんに歩み寄った。
「遼くん。勘違いだから……っ」
必死にうったえるのに、遼くんは何も言ってくれない。
遼くんへの気持ちがバレるわけにはいかないけど、中島くんと付き合ってるって勘違いされたくもない。
私は少しずつ、遼くんへの気持ちを消していくんだ。そうすればいつか遼くんも私のことを忘れて、自分の道を、まっすぐに歩いていけると思うから。
そんなことを考えていると、少し前の記憶を思い出して息が苦しくなってきた。
遼くんと付き合っていた頃の、──────。
「……はのん? 顔色悪いよ……?」



