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キーンコーン、とやや間抜けなチャイムが鳴る。
ミカちゃんの言葉にすごく不安になりなりながら、手を伸ばし、掴んだクジの紙。
──────12番。
黒板に書かれた座席表を見ると、1列目の、1番後ろ。また窓側。2つ後ろにずれるだけ。
とりあえずは後ろ、勝ち取った。
あとは、ミカちゃんの席と近くになれたかどうか。
それと、中島くんと離れられたら……。
「はのん、何番?」
ひょいっとのぞき込んでくるミカちゃん。その直後、「うわあ」と暗い声を落とす。
「ほぼ対角線じゃん……」
「え、嘘」
ミカちゃんの持ってる番号を見ると、反対側の列の、1番前だった。
ショック。
「やだよー……」
がっくりうなだれる。
女子が私とミカちゃんを含めて4人しかいないうちのクラスは、男子と隣になることがほぼほぼ確定してるから、離れるとすごく寂しい。
「あ、ところでお隣どうだった?」
「まだわかんない…」
みんな、机を動かし始めてる。
移動が完了してからじゃないと知ることができない。
「とりあえず、移動しよ」
「うん、またあとで」