やだ、今は会いたくない。

ひどい顔をしてる。


駆け出した。

走って、走って


だけどすぐに息が切れる。

足の長い中島くんは、すぐ私に追いついてしまう。




「上月、」

「来ないでっ」


腕をつかまれた。

振り払おうとしたけど、強い力がそれを許してくれなかった。




「なにやってんの、こんなとこで。しかも一人で」



低い声。

怒ってる。



「おい、はのん。こっち向け」


今度は乱暴に肩をつかまれて、無理やり向かい合わせられた。

この近い距離は久しぶり。




「この前襲われかけたの忘れたのかよ、危ないだろ」


怖い顔で、危ないだろって。

怒りながらもちゃんと優しい。




そういうところが

──────すき。


好き………なの。