中島くん、わざとでしょ



「ホンダ、この子は上月はのんチャンな」


中島くんがいないのなら、私はいる必要がない。
一歩退くと、浦本くんに腕を引かれ、中につれこまれた。


「上月さんも一緒に話そうぜ」

「いやでも、……」


断ろうとしまのに、灰田くんまで「入りなよ」と促してくる。



「こいつは本多七瀬。中島の幼なじみ」


幼なじみ……。っていうことは、近くに住んでるってこと?
だけど、うちの学校では見たことがない。



「高校は違うの?」

疑問を口にすると、本人が答えてくれた。



「おれは中央」

……中央高校。


ふと、あることが頭をよぎる。


幼なじみで、中央高校。

……これって。


「中島くんの好きな人と一緒だね」


ホンダくんに向かってそういうと、相手は「え?」というように首を傾げた。



「一緒って?」

「っあ……、だって中島くん、中央高校の女の子とデートしてたって聞いて。……あと、幼なじみもそこにいるって話だったから……」



まじまじと見つめられる。