────いいかげん諦めなきゃ。
できるだけ視界に入れないように過ごしていたある日。
突然、中島くんが学校に来なくなった。
それも、ただの風邪ではないようで
クラスメイトは暗い顔をして中島くんのことを話していた。
聞き耳を立てていると、『入院』という単語が聞こえてきてビクリとした。
関わらないと決めていたけど、これはさすがに黙っていることもできなくて。
中島くんが来なくなって1週間ほどだ経った休み時間に、浦本くんが一人で教室を抜けたのを追いかけて引き止めた。
「あの、浦本くん……!」
この人なら話したことあるし、詳しいことを教えてくれるんじゃなかと。
「中島くん、入院したって聞いたんだけど……」
私がそう言うと、浦本くんはいったん気まずそうに目を逸らしながら。
「あんま大きい声では言えねぇんだけど」という前置きをして話してくれた。