「俺、大学行きたいんだよね。このまま何もなければ、いいところの推薦がもらえる」





つまりは、黙っておけと。



心配しなくても、と思う。

わざわざ先生に報告するようなことはしない。



この学校の風紀が乱れているのは元からで、いくら生徒会だからってそれを逐一、先生たちに知らせていたらきりがないし、あまり意味もない。





「……大丈夫。言わないよ」



だけど、その許しの言葉を口にしたとたん、心の奥底から、何かムカムカとした怒りのような感情がわいてきた。




私だって、こんな学校に通ってるけど、少しでもいいところに進学したいとは思ってるし。

だから最低限のルールを守って学校生活を送ってる。中島くんには敵わないけど勉強だってしっかりやっているつもり。



気づけば口を開いていた。





「……でも、自分が見つかっちゃマズいと思ってる学校内で煙草を吸うってどうなの?」


「……は?」


「少し自制すればよかった話だよ。私に見つかったのは完全に中島くんの落ち度なのに、なんでそんなに偉そうなの」