中島くん、わざとでしょ



時計の秒針が規則的にリズムを刻む。

もう同じ数字のところを3回は通った。


水を持ってくるだけのはずなのに。

冷水機は、保健室のすぐ横に設置してあるはずなのに。



……遅いよ。

不安が募る。


無性に寂しい。寂しくて寂しくてたまらない。
どうしてこんなふうになるのかわからない。


それからさらに3分ほど経って
保健室のドアが開く音がした。


たった数分間ひとりにされただけなのに。
10分にも満たない時間だったのに。


ベッドの横のカーテンからようやく顔をのぞかせた中島くんを見たら、なぜかポロポロと涙がこぼれてきた。



「……上月?」


びっくりさせてしまう。
なのに涙は止まってくれない。



「どうしたの、上月」


信じられないくらい優しい声、ちょっとだけ焦った響きも混じってる。

紙コップを隣の台に置いて、そっと背中をさすってくる。

その優しさに甘えてしまいたくなる。

熱があるときみたいに頭のブレーキが緩んでいく。