やっぱり私って重い……のかな。
「るき君っていうんだね〜」
「連絡先交換しようよ〜」
「えーっずるい、ウチもする〜!」
すごいキラキラして見える。
急に距離を感じてしまう。
同じ空間にいるのに、私とはかけ離れた世界の人みたい。
愛想よくうなずいてスマホを取り出す中島くんが
隣の席でいつも話してたはずなのに、なんだか、全然知らない人に見えた。
気づけば目を逸らしていた。
なにか重いものが、モヤっと胸の奥でうずまく。
……ああ、なんか、よくわからないけど
ここから離れたい……かも。
うつむいて、そう思った直後
「ねえ、アンタ可愛いね」
近くのテーブルにいた男子グルーブのひとりが立ち上がって腕をつかんできた。
「名前なんてゆーの?」
顔を近づけられる。
反射的にそむけたけど、つかんでくる力が強くて距離を取ることができない。
「シフト何時まで? 終わったら俺たちと抜けよーよ。学校案内とかしてくれたら嬉しいな〜」
「……っ、私、そういうのは…」
「いいじゃん。こんな男ばっかの学校通ってんだし、どうせ遊んでんだろー?」
さらに近寄られて、吐息がかかる位置。
怖くてぎゅっと目をとじた。



