中島くん、わざとでしょ






「上月チャン、これ3番テーブル」

「は、はい……!」

「運び終わったら次こっちね」

「わかりました!」



メイド喫茶、思いのほか大盛況。

同じ中学の友だちなどがおもしろがって見に来ていたりして、いろんな方面から笑い声やカメラのシャッター音が響く。


男子ばかりかと思いきや、中学生から高校生とみられる女子グルーブの割合も多くて

中島くんの客引き効果なのかと……とも思ったり。


だけどそんなことを考える余裕もあまりなく、バタバタとせわしなく動き回っていた。


やがて時間が経ち、お客さんも少しずつ落ち着いてきたころ。


入り口あたりから甲高いはしゃぎ声が聞こえてきた。

目を向けると、案の定。



「えーっほんとかっこいい。めっちゃタイプ〜!」

「うさぎ可愛い〜耳触ってもいいですか?」

「一緒に写真撮ってくださいお願いします……!」



中島くんが女の子6人をはべらせて戻ってきていた。