中島くん、わざとでしょ


「あ、あのね、ミカちゃんがいい感じにメイクしてくれて……髪型も、アイロンで可愛くアレンジしてくれたんだ」

「そっかー。いつもと雰囲気違うとドキドキすんなー。すげぇ似合ってる」



にこにこ、にこにこ。
大げさなくらいストレートに褒めてくれる。


中島くんも、このくらい言ってくれたらいいのに。

ほかの女の子が着てるの見たら「ちょー可愛いよ」とか言うんだろうな。

人たらしの猫かぶりだし。


……なんて。

無意識にそんなことを考えはじめた自分にハッとする。

首を横にふって頭から取り払った。


隣を見ると、浦本くんもなにやら落ち着かないように、キョロキョロと周りを見渡している。