中島くん、わざとでしょ


「……なにニヤついてんの。 待たせてんだから走ってこいよ」


わざわざ手伝いに来てあげたというのにキレ気味の表情で迎えられて、浮き立っていた気分がちょっとだけ下がった。



「中島くんて すぐ機嫌悪くなるよね。子供みたい」


こちらも精一杯の低い声で対応する。



「上月見てるとなんかイライラする」

「っ、そのセリフそのままお返しする!!」

「とりあえずその緩みきった顔どうにかしろ」



手が伸びてきて、私のほっぺたを容赦なくつねる。

だいぶ力がこもってて痛い。



「やめてよっ!」

右手で払いのけて、そのまま一歩退いた。



「仕事する気ないなら私、遼くんのとこ戻る」


そして、くるっと背を向けた直後。



「……っ、おい」


今度は腕。
強い力でぐいーっと後ろに引っぱられる。



「……ごめん」


急に弱々しくなった声が耳元で響いた。



「怒んないで、上月」