中島くん、わざとでしょ






「はのんごめん、ちょっとこっち手伝ってくれる?」

──────放課後。

いよいよ本格的に文化祭の設営の準備が始まった。


これまでは資料を作ったりとかの作業が中心だったけど、文化祭のために看板を作ったりテントの用意をしたり。

それには文化委員会も加わってくれるから、人手が足りないということはないんだけど。



「ここ、……押さえてもらっていい?」


釘とハンマーを持った遼くんが私に指示を出す。

支えるためには、遼くんにけっこう近づかなきゃいねない。

嬉しいけど……ちょっと緊張する。



「じゃあ俺、手離すよ」

「う、うん」


資料づくりでパソコンに向かってる遼くんもカッコイイけど、こうやって体を動かしてる遼くんも新鮮でかっこいい。


……なんか、日曜大工みたい。
ふふふって、無意識のうちにニヤニヤしてしまう。


緩む口元を必死で抑えながらいい気分に浸っていると、



「上月、俺のほうも手伝って」


後ろから中島くんの声が飛んできた。

もう、せっかく遼くんと二人で共同作業してたのに。




「私いま遼くんを手伝ってるの!見てわかるでしょ」

「……だから、それ終わったらさっさとこっちこいって」


もう、そうやってすぐ期限を損ねる。
いくら私が相手だからって……周りにも人がいるのに。