中島くん、わざとでしょ



そう言うと、どこか嬉しそうに目を細めた。



「客寄せだよ。入り口あたりで看板持っておいでーって言う役」

「ええ何それ……そんなのアリなの?」



うん、と頷くと
スマホを取り出して操作し始める。

なにやら写真フォルダから何かを探している様子。
やがて指を止めると、画面を私のほうに向けてきた。




「これ被んの」


そこに写っていたのは、うさぎの着ぐるみを着た中島くん。どうやら去年の文化祭の写真らしい。

じっと見つめてみる。

無邪気に笑っててなんかちょっと可愛いかも……。


2つの大きな耳。ふわふわしてそうで、写真なのに触りたくなる。



「この着ぐるみ可愛いね」

「うん。友ダチに作ってもらった」

「えっ手作りなの?」


……すごい。

思わず顔を近づけた。



「6組の朝海ってヤツ。この学校の中で唯一裁縫ができる男」


にこにこ、嬉しそう。

中島くん、楽しいときとか嬉しいときは、あんがい素直な笑顔で笑う。


……これだから憎めないのかな。