メイド服みたいな、ああいうふわふわした女の子っぽいもの、自分が着るのに抵抗はあるけど本当はひそかに憧れてる。

人に見られずに済むのなら、一度は着てみたいなぁ……なんて。

文化祭で着るなんてもってのほかだし、ましてや中島くんに見られたりしたら、さんざんバカにされるのは目に見えてる。



「中島くんはさぞ似合うんでしょうねメイド服!色白で細身でもやしみたいだし!」



やけになってそう言った。

そしたら案の定、黒い笑顔を浮かべる。



「俺を怒らせて楽しい?」


楽しくはない。断じて。
できるなら関わりたくない。
だけど、中島くんにはどうしても言い返さないと気が済まなくて。



「相変わらず口が減らねぇなあ?」

「仕掛けてきたのはそっちでしょっ」

「俺は事実を言っただけ。上月にメイド服はありえない」

「〜〜っ、うるさいし」


するとふいに手首を掴んできた中島くん。
私の手を自分の首元あたりに誘導させる。



「……? なに?」


指先が白シャツに触れる。



「俺のカラダ知らねぇーくせに
好き勝手言いやがって」