金曜日。

ホームルームの時間にクラスの出し物が決まった。

私たちのクラスは……“ メイド喫茶 ” 。


ほぼ男子しかいないこの学校で……一体なぜなのか。

男子がメイド服を着て接待するらしい。
いさぎよく “ 女装喫茶 ” に改名したほうがいいと思うんだけど、すでにメイド喫茶という名前で生徒会に申請が出されていた。


確かにおもしろそうではあるし、ミカちゃんはメイド服着るのを楽しみにしてるけど……。




「上月はぜったい裏方。そんな貧相なカラダでメイド服着られても喜ぶ男とかいないから。むしろ全員萎えるから」



ちょっ……そこまで言わなくてもいいんじゃないの。

ムカっときて声をあげかけたけど、中島くんの言ってることは事実でしかなくて。




「……似合わないのは分かってるし」

「あーそう。なら良かった」


意地悪く笑ってくるから、悔しくて睨みつける。




「ていうかっ、わざわざ中島くんに言われなくても裏方やるもん」