中島くんの顔面どアップ
近づく唇。
教室一番うしろの席、
教科書で隠された私たち。
びっくりしたせいで逃げ遅れ、黒い瞳に囚われたまま動けない。
ギリギリ触れない距離で、寸止め。
本気でキスするつもりはないんだと分かっても、ドキンドキン、心臓がうるさく鳴り続ける。
意地悪く笑った口元を見て、おもしろがってるんだと悔しくなった。
────なんてことするの。
ここ教室なのに。
私のことからかって
そんなにおもしろいの……?
好きな人いるくせに。
私と違って、宇宙一可愛い女の子が……。
恥ずかしさと怒りがまざって、なんの感情なのか一瞬わからなくなった。
胸の中に重たいなにかがぐるぐると渦巻いて苦しくなる。
「っ、やめて……!」
腕を勢いよく伸ばして拒んだ。
自分でもびっくりするくらい力がこもってしまって、押し返すというよりは、突き飛ばすといった感じ。



